
「世界で最もおいしい料理」に選ばれたこともある、タイのマッサマンカレー。
「名前は聞いたことあるけど、どんな味?」
「グリーンカレーとはどう違うの?」
「おうちで作れる?東京で美味しいお店は?」
そんなあなたの疑問にすべてお答えします!この記事では、マッサマンカレーの魅力から歴史、本格的な作り方、そして日本とタイのおすすめレストランまで、そのすべてを分かりやすく徹底解説します。
目次
1. マッサマンカレーとは?「世界一おいしい料理」の正体
マッサマンカレーは、タイ南で生まれた、イスラム文化や南アジアの影響を受けた独特な味わいが特徴のタイカレーです。その最大の魅力は、**「カレーの王様」**とまで称される、複雑で奥深い味わいにあります。
👑 CNNが選んだ「世界一おいしい料理」
2011年、アメリカのCNN Travelが発表した「世界で最もおいしい食べ物50選(World's 50 most delicious foods)」で、マッサマンカレーは数々の有名料理を抑え、堂々の第1位に輝きました。
CNNは「スパイシーで、ココナッツが効いていて、甘くて風味豊か。カレーの王様、そしておそらくはすべての料理の王様」と絶賛。このニュースによって、マッサマンカレーは世界中から注目される存在となったのです。
😋 どんな味?辛さは?
マッサマンカレーの味をひと言で表すなら、**「濃厚でマイルド、甘くてスパイシー」**です。
- 辛さ: 唐辛子の燃えるような辛さは控えめで、非常にマイルド。辛いものが苦手な方でも安心して楽しめます。
- 甘みとコク: ココナッツミルクがたっぷり使われており、リッチでクリーミーな口当たり。パームシュガーの優しい甘みが全体を包み込みます。
- 香り: シナモン、カルダモン、クローブといったドライスパイスが醸し出す、甘くエキゾチックで芳醇な香りが特徴です。
- 具材: ほろほろに煮込まれた鶏肉や牛肉、ホクホクのジャガイモ、そして香ばしいピーナッツが定番です。
この絶妙な味のバランスが、一度食べたら忘れられない魅力となっています。
グリーンカレーやレッドカレーとの違いは?
タイカレーといえばグリーンカレーやレッドカレーが有名ですが、マッサマンカレーは全く異なる個性を持っています。違いを一目でわかるように表にまとめました。
特徴 | マッサマンカレー | グリーンカレー | レッドカレー |
主な風味 | 甘く、酸味があり、芳醇でマイルド | フレッシュでハーブが効き、辛い | 濃厚で風味豊か、辛い |
スパイス | ドライスパイスが中心 (シナモン、カルダモン等) | 生の青唐辛子、ハーブが中心 (レモングラス等) | 乾燥赤唐辛子が中心 |
辛さレベル | マイルド~中辛 | 中辛~激辛 | 辛口 |
起源 | タイ南部(ペルシャ・イスラムの影響) | タイ中部 | タイ全土 |
代表的な具材 | ジャガイモ、ピーナッツ | タイナス、タケノコ | 肉、タケノコなど |
簡単に言うと、ハーブと唐辛子のフレッシュな辛さが特徴のグリーン/レッドカレーに対し、マッサマンカレーはドライスパイスとココナッツミルクの甘みとコクが主役の、シチューのようなカレーなのです。
2.マッサマンカレーの歴史と名前の由来
マッサマンカレーのルーツを辿ると、17世紀の国際貿易都市アユタヤ王朝にまで遡ります。
当時、タイにはペルシャ(現在のイラン)などから多くの商人が訪れていました。彼らが持ち込んだドライスパイスを多用する煮込み料理の文化が、タイのココナッツミルクやハーブと融合して生まれたのがマッサマンカレーの始まりと考えられています。
「マッサマン」という名前は、**「イスラム教徒(ムスリム)」**という言葉がタイ語風に変化したもの。この名前からも、イスラム商人との深いつながりがうかがえます。そのため、伝統的に豚肉は使われず、鶏肉や牛肉、ラム肉が用いられるのです。
3.おうちで簡単!タイの本格マッサマンカレーの作り方(レシピ)
「お店みたいな本格的な味を家で再現したい!」そんなあなたのために、家庭でできる簡単レシピをご紹介します。
🥘【初心者向け】市販ペーストで失敗しない簡単レシピ
タイの家庭でも一般的に使われる市販のペーストを使えば、驚くほど簡単に本格的な味が再現できます。
材料(2〜3人分)
- 鶏もも肉:1枚(約250g)
- ジャガイモ:中1個
- 玉ねぎ:1/2個
- マッサマンカレーペースト:50g
- ココナッツミルク:400ml
- サラダ油:大さじ1
- ナンプラー:大さじ1〜2
- 砂糖(パームシュガーがおすすめ):大さじ1〜2
- タマリンドペースト(またはレモン汁):小さじ1
- 炒ったピーナッツ:大さじ2
作り方
- 鶏肉、ジャガイモは一口大に、玉ねぎはくし切りにする。
- 鍋にサラダ油とココナッツミルクの**上澄みの濃厚な部分(大さじ3〜4)**を入れ、弱火で熱する。
- マッサマンカレーペーストを加え、油が分離して香りが立つまでじっくり炒める。これが最大のポイント!
- 鶏肉を加えて表面の色が変わるまで炒める。
- 残りのココナッツミルク、ジャガイモ、玉ねぎを加え、ジャガイモが柔らかくなるまで15〜20分煮込む。
- ナンプラー、砂糖、タマリンドペーストで味を調える。
- 最後にピーナッツを加えて軽く混ぜたら完成!ジャスミンライスと一緒にお召し上がりください。
🌶️【上級者向け】スパイスから作る本格ペースト
より本格的な香りと風味を追求したい方は、ペースト作りから挑戦してみましょう。
ペーストの材料
- 乾燥唐辛子(水で戻す):5〜6本
- レモングラス(スライス):大さじ2
- ガランガル(スライス):大さじ1
- エシャロット(みじん切り):大さじ3
- ニンニク(みじん切り):大さじ1
- シュリンプペースト(カピ):小さじ1
- 【ドライスパイス】
- コリアンダーシード:大さじ1
- クミンシード:小さじ1
- シナモンスティック:2cm
- クローブ:3個
- カルダモン:3個
作り方
- ドライスパイスをフライパンで香りが出るまで乾煎りし、スパイスグラインダーかすり鉢で粉末にする。
- すり鉢に唐辛子、レモングラス、ガランガル、エシャロット、ニンニク、シュリンプペースト、塩少々を入れ、滑らかになるまでよく搗く。
- 最後に粉末にしたスパイスを加えて混ぜ合わせたら、自家製ペーストの完成!
【東京】本格マッサマンカレーが食べられるおすすめ店5選
日本でも本格的なマッサマンカレーを味わえるお店が増えています。ここでは、特に評価の高い東京の名店を厳選してご紹介します。
レストラン名 | 所在地(最寄駅) | 特徴 |
ビエンチャン | 板橋区 / 中板橋駅 | 「唯一無二の深み」と絶賛される名店。ナッツ感とスパイスの完璧なバランスが特徴。 |
オーキッド (Orchid) | 豊島区 / 池袋駅 | ピーナッツが効いたマイルドな味わい。ゴロッとした大きな具材で満足感もたっぷり。 |
タイ田舎料理 クンヤー | 豊島区 / 池袋駅 | ランチ限定。辛さがなく深いコクが魅力。ほろほろの鶏肉とジャガイモが絶品。 |
JASMINE THAI | 豊島区 / 池袋駅 | 少しリッチで洗練されたダイニング体験。本格的な味わいを落ち着いた空間で楽しめる。 |
ルンルアン | 北区 / 田端駅 | 骨付き牛肉を使った「マッサマン・ヌア」が名物。濃厚でありながら後味のキレが良いと評判。 |
【本場タイ】バンコクの名店3選
タイ旅行の際には、ぜひ本場の味を堪能してみてください。ここでは、数あるレストランの中でも特に有名な高級店を3つご紹介します。
- ブルー・エレファント (Blue Elephant) 100年以上の歴史ある建物が目印の超有名店。ラム肉を使った上品なマッサマンカレーが味わえます。料理教室も併設。
- パタラ・ファイン・タイ・キュイジーヌ (Patara Fine Thai Cuisine) 世界6カ国で展開するシックな一軒家レストラン。臭みを消すためにカルダモンを効かせたラム肉のマッサマンが絶品です。
- サヤーム・ウィズダム (Siam Wisdom) タイ版「料理の鉄人」チャンピオンがオーナーシェフを務める実力派。手作業で作る濃厚なカレーペーストと、口の中でとろける牛肩バラ肉が特徴です。
まとめ:世界を魅了する「カレーの王様」を味わおう!
タイのマッサマンカレーは、その豊かな歴史と文化が生み出した、まさに「世界一」と呼ぶにふさわしい料理です。
- ココナッツミルクとスパイスが織りなす、マイルドで濃厚な味わい
- イスラム文化とタイ料理の美しい融合
- 辛いものが苦手な人でも楽しめる優しさ
市販のペーストを使えば、おうちでも手軽にその味を再現できます。もちろん、東京やタイの名店でプロの味を体験するのも素晴らしい経験になるでしょう。
この記事を参考に、あなたも「カレーの王様」マッサマンカレーの奥深い魅力に触れてみませんか?