ブラジル人の名前にはいくつか特徴的な要素があります。
主にポルトガル語の影響が強いことから、名前の構造や選ばれる名前に特有の特徴があります。
1.ブラジル人の名前の特徴とは?
- 構造: ブラジルでは、多くの人が「ファーストネーム + ミドルネーム(多くの場合母方の姓) + ラストネーム(父方の姓)」の形式をとります。時にはさらに多くのミドルネームが使われることもあります。
- 一般的な名前: ジョゼ(José)、アントニオ(Antonio)、フランシスコ(Francisco)、マリア(Maria)、アナ(Ana)、フランシスカ(Francisca)などがあります。これらの名前はポルトガル語の名前であり、カトリック教徒が多いブラジルでは聖人の名前が非常に一般的です。
- 愛称の使用: ブラジルでは公式の名前とは異なる愛称を日常生活で使用することが一般的です。たとえば、フランシスコは「チコ(Chico)」、アントニオは「トニ(Tonho)」や「トニーニョ(Toninho)」と呼ばれることがあります。
- 複合名: 二つの名前を組み合わせた複合名がよく用いられます。例えば、ジョアン・パウロ(João Paulo)、アナ・マリア(Ana Maria)などが挙げられます。
- 地域差: ブラジルの地域によっても、選ばれる名前に差があります。例えば、北部ではアマゾン先住民の名前や影響を受けた名前が見られることもあります。
2.ブラジル人のよくある苗字とは?
ブラジルで一般的な苗字は、主にポルトガル系のものが多いですが、イタリア、ドイツ、スペイン、アフリカ、先住民族など多様な起源を持つものも見られます。以下は、ブラジルでよく見られる苗字の例です:
- シルバ(Silva): ブラジルで最も一般的な苗字の一つで、ポルトガル語で「森」や「林」を意味します。
- サントス(Santos): 「聖人たち」を意味するこの苗字は、非常にポピュラーで、多くのブラジル人が持っています。
- ソウザ(Souza): この苗字もポルトガル由来で、特定の地名からきているとされています。
- オリベイラ(Oliveira): 「オリーブの木」を意味するこの苗字は、農業が盛んな地域の特徴を反映しています。
- ペレイラ(Pereira): 「梨の木」を意味し、やはり自然にちなんだ名前です。
- リマ(Lima): 地名に由来するこの苗字は、ブラジル国内外で見られます。
- フェレイラ(Ferreira): 「鉄工場」を意味し、古くから職人の姓として使用されてきました。
- ロドリゲス(Rodrigues): 「有名な支配者」を意味するこの苗字は、ロドリゴという名前から派生しています。
- アルメイダ(Almeida): 地名に由来する苗字で、ポルトガルの特定の場所を指します。
- コスタ(Costa): 「海岸」を意味するこの苗字は、海に近い地域の人々によく見られます。
3.ブラジル人のよくある人気の名前【男性編】
- ジョゼ(José) - 聖ヨセフに由来。
- ジョアン(João) - ヨハネに由来。
- アントニオ(Antonio) - アントニウスに由来。
- フランシスコ(Francisco) - フランシスコ・アシスに由来。
- カルロス(Carlos) - チャールズに由来。
- パウロ(Paulo) - パウロ(使徒パウル)に由来。
- ルイス(Luís) - 古代ゲルマン語由来、"有名な戦士"。
- マルコス(Marcos) - マルクスに由来。
- ルカス(Lucas) - ルークに由来。
- マテウス(Mateus) - マタイに由来。
- ペドロ(Pedro) - ペトロ、ペテロ(使徒ペテロ)に由来。
- ヴィトール(Vitor) - "勝者"を意味するラテン語に由来。
- ガブリエル(Gabriel) - ガブリエル天使に由来。
- ラファエル(Rafael) - ラファエル天使に由来。
- ダニエル(Daniel) - ダニエルに由来。
- マルセロ(Marcelo) - 小さな戦士を意味するラテン語に由来。
- フェリペ(Felipe) - フィリップ、友情を意味するギリシャ語に由来。
- アンドレ(André) - アンドレアス、男性的、勇敢を意味するギリシャ語に由来。
- ロドリゴ(Rodrigo) - 「有名な支配者」を意味するゲルマン語に由来。
- ヒアゴ(Tiago) - ヤコブに由来。
- ブルーノ(Bruno) - "茶色"や"輝く鎧"を意味するゲルマン語に由来。
- ヘナート(Renato) - "再生した"、"生まれ変わった"を意味するラテン語に由来。
- エドゥアルド(Eduardo) - "富"と"守護者"を意味するゲルマン語に由来。
- レオナルド(Leonardo) - "ライオン"と"強さ"を意味するゲルマン語に由来。
- セルジオ(Sérgio) - 不明瞭な起源、古代ローマの家系に関連している可能性があります。
- クラウディオ(Claudio) - "足が不自由な"を意味するラテン語に由来。
- リカルド(Ricardo) - 「強力な支配者」を意味するゲルマン語に由来。
- ジウヴァーニ(Giovani) - イタリア語のジョヴァンニに由来し、「神が寛大である」を意味します。
- ジウマール(Gilmário) - ポルトガル語圏の独特な名前で、特定の意味は不明です。
- イヴァン(Ivan) - ヨハン(John)のスラブ語形で、「神は寛大である」を意味します。
- ネルソン(Nelson) - 「息子のネル」を意味する英語名に由来。
- オスカル(Oscar) - 「神の槍、戦士の友」を意味するゲルマン語に由来。
- カイオ(Caio) - ラテン語のGaiusに由来し、古代ローマの個人名です。
- アレシャンドレ(Alexandre) - アレクサンダーに由来し、「人々を守る者」を意味します。
- ウェリントン(Wellington) - 地名に由来する英語の名前です。
- マルコ(Marco) - マルクスに由来し、「戦争」を意味するラテン語です。
- ジェファーソン(Jefferson) - 「平和の息子」を意味する英語名です。
- モイゼス(Moisés) - モーゼに由来し、ヘブライ語で「救い出された」を意味します。
- トマス(Tomás) - トーマスに由来し、アラム語で「双子」を意味します。
- エリアス(Elias) - エリヤに由来し、ヘブライ語で「私の神はヤハウェ」を意味します。
- ヘニケ(Henrique) - ヘンリーに由来し、「家の支配者」を意味するゲルマン語です。
- イーゴ(Hugo) - 「心、精神」を意味するゲルマン語に由来。
- ミゲル(Miguel) - ミカエルに由来し、「神のような」を意味します。
- ラウル(Raul) - 「強いカウンセラー」を意味するゲルマン語に由来。
- ジャイール(Jair) - ヘブライ語で「彼が照らす」を意味します。
- ウーゴ(Hugo) - 「心、精神」を意味するゲルマン語に由来。
- ロベルト(Roberto) - 「名誉ある明るさ」を意味するゲルマン語に由来。
- タルシス(Tarcísio) - 古代ローマの名前Tarcisiusに由来し、特定の意味は不明です。
- ジョナタン(Jonathan) - ヘブライ語で「神が与えた」という意味。
- アダムソン(Adamson) - 「アダムの息子」を意味する英語の名前です。
これで男性の名前50個のリストが完成しました。ブラジルではこれらの名前が広く使われており、それぞれに独自の歴史や意味が込められています。
4.ブラジル人のよくある人気の名前【女性編】
- マリア(Maria) - 「苦しみ」または「海の星」を意味するヘブライ語に由来。
- アナ(Ana) - 「恵み」または「愛らしい」を意味するヘブライ語に由来。
- フランシスカ(Francisca) - 「フランス人」を意味するラテン語に由来。
- アントニア(Antonia) - 「称賛されるべき」を意味するラテン語に由来。
- クラウディア(Claudia) - 「足が不自由な」または「よろめく」を意味するラテン語に由来。
- アリシア(Alicia) - 「貴族」を意味する古代ゲルマン語に由来。
- ベアトリス(Beatriz) - 「幸福をもたらす者」を意味するラテン語に由来。
- カミラ(Camila) - 「祭司の助手」を意味するラテン語に由来。
- ダニエラ(Daniela) - 「神は私の裁き手である」を意味するヘブライ語に由来。
- デボラ(Debora) - 「蜂」を意味するヘブライ語に由来。
- エリザベテ(Elizabete) - 「神の誓い」または「神は完全である」を意味するヘブライ語に由来。
- ファビアナ(Fabiana) - ファビウス氏族に由来するラテン語の名前です。
- フェルナンダ(Fernanda) - 「冒険する準備ができている」を意味するゲルマン語に由来。
- ジョアナ(Joana) - 「神は恵み深い」を意味するヘブライ語に由来。
- ジュリアナ(Juliana) - 「若々しい」または「ユピテルの子孫」を意味するラテン語に由来。
- ラリッサ(Larissa) - 古代ギリシャの地名に由来するか、ラリサが語源。
- ルチアナ(Luciana) - 「光」を意味するラテン語に由来。
- マルシア(Marcia) - マルクスに由来し、「戦争の神」を意味します。
- マルタ(Marta) - 「主の女」または「苦しみ」を意味するアラム語に由来。
- ナタリア(Natalia) - 「クリスマスの日」を意味するラテン語に由来。
- パトリシア(Patricia) - 「貴族」を意味するラテン語に由来。
- ラファエラ(Rafaela) - 「神が癒す」を意味するヘブライ語に由来。
- レジーナ(Regina) - 「女王」を意味するラテン語に由来。
- リタ(Rita) - 「真珠」を意味するギリシャ語から来ています。
- ロザンジェラ(Rosangela) - 「ローズ」と「天使」を意味する合成名です。
- サンドラ(Sandra) - 「人類の守護者」を意味するギリシャ語に由来。
- シルビア(Sílvia) - 「森」を意味するラテン語に由来。
- タイアナ(Tatiana) - 古代ローマのタチウス氏族に由来。
- タニア(Tânia) - 「タチウスの」という意味で、タチウス氏族に由来します。
- テレザ(Tereza) - 「狩り」または「夏」を意味するギリシャ語に由来。
- ヴァネッサ(Vanessa) - 「蝶々」を意味する創作された名前。
- ヴェラ(Vera) - 「真実」を意味するラテン語に由来。
- ヴィヴィアン(Vivian) - 「生命」を意味するラテン語に由来。
- イヴォンネ(Yvonne) - ドイツ語のイヴォンネから派生し、「柳の木」を意味する。
- ゼニルデ(Zenilde) - 由来不明ですが、ポルトガル語圏でよく見られる名前。
- アリーニ(Aline) - 「高貴」または「光」を意味する古ゲルマン語に由来。
- シモーネ(Simone) - 「聞く」という意味のヘブライ語シモンに由来。
- ソニア(Sonia) - 「知恵」、「知識」を意味するギリシャ語に由来。
- タマリス(Thamires) - 特定の意味や由来は不明ですが、ブラジルで人気の名前。
- ウラニア(Urania) - 「天の」という意味で、ギリシャ神話のムーサ(芸術の女神)の一人。
- ヴァレリア(Valéria) - 「強い」、「健康」を意味するラテン語に由来。
- ヴァニア(Vânia) - 「神が寛大である」という意味のヘブライ語に由来。
- ジゼリ(Giseli) - 「誓い」または「質素」を意味するゲルマン語に由来。
- エレン(Helen) - 「光」を意味するギリシャ語に由来。
- イザベラ(Isabela) - 「神の誓い」を意味するヘブライ語エリザベスに由来。
- ジャクリーニ(Jacqueline) - フランス語で「ジェイムズを補う者」という意味。
- ラウラ(Laura) - 「月桂樹」を意味するラテン語に由来。
- リア(Lia) - 「苦労する」という意味のヘブライ語に由来。
- マルセラ(Marcela) - 「小さな戦士」を意味するラテン語に由来。
- ナディア(Nadia) - 「希望」を意味するスラブ語に由来。
5,ブラジル人の名前に関する面白い豆知識
- 先住民族の影響: ブラジルのいくつかの地域では、先住民族の言語から名前が取られています。これらの名前は自然界や精神的な要素に関連する意味を持つことが多く、その地域特有の文化的アイデンティティを保持しています。
- 奴隷由来の名前: ブラジルにはアフリカから連れてこられた奴隷の子孫が多くいます。奴隷時代には、多くの奴隷がポルトガル語のキリスト教名を強制されましたが、彼らの子孫はしばしばアフリカ由来の名前を再採用し、そのアイデンティティを称賛する形で名前を使っています。
- 外国語の影響: ブラジルにはイタリア、ドイツ、日本など、様々な国からの移民がいます。これらの移民は自国の名前を持ち込んだため、特に南部の州ではイタリア語やドイツ語の名前が珍しくありません。例えば、ドイツ系の影響が強い地域では「ハインリッヒ」や「ミヒャエル」といった名前が見られます。
- 名前と性別の役割: ブラジルでは、一部の名前が男性と女性で異なる形式を持つことがあります。例えば、「ジョゼ」(José)と「マリア」(Maria)が組み合わさった「ジョゼマリア」(José Maria)は男性の名前として使われることがありますが、同じ要素を持つ「マリアジョゼ」(Maria José)は女性の名前として一般的です。
- 名前の変化: 経済的、社会的地位の向上を望む家族は、子供に伝統的な名前ではなく、より洗練された、または国際的に通用する名前をつけることがあります。これにより、世代ごとに人気の名前に変動が見られることがあります。