ペルーは、その豊かな歴史と多様な文化が融合した国です。
インカ帝国をはじめとする古代文明の遺跡が点在し、アンデス山脈からアマゾンの熱帯雨林に至るまでの壮大な自然が広がります。
記事ではそんなペルーの文化や習慣について紹介していきます。
1.ペルー特有の文化とは?
インカ帝国の遺跡
インカ帝国は、15世紀に栄えた古代文明で、マチュ・ピチュやクスコなどの遺跡が観光名所となっています。
ケチュア語
インカ帝国の公用語であったケチュア語は、現在もペルーの一部で話されています。
伝統的な織物
アンデス地方で古くから続く織物技術があり、アルパカやラマの毛を使った色彩豊かな布が作られています。
食文化
ペルー料理は、スペイン、アフリカ、アジアの影響を受けたユニークな料理が特徴です。
代表的な料理には、セビーチェ(魚のマリネ)、アヒ・デ・ガリーナ(鶏肉のクリーム煮)、ロモ・サルタード(牛肉の炒め物)などがあります。
音楽とダンス
ペルーの音楽は、先住民、アフリカ、スペインの影響が混ざり合った多様なスタイルがあります。伝統的なダンスには、マリネラ・ノルテーニャやサイサがあります。
祭り
ペルーには、数多くの宗教や文化の祭りがあります。インティ・ライミ(太陽祭)やセマナ・サンタ(聖週間)など、観光客にも人気の祭りが多く開催されています。
アンデスの信仰
アンデス地方では、自然や山々に対する信仰が根強く、ペチャママ(大地母神)やアプ(山の精霊)などの神々が崇拝されています。
グアカ
グアカは、ペルーの先住民の文化で、聖なる場所や神聖な土地を指します。遺跡や山、湖など、自然と人間の関係が築かれた場所がグアカとされています。
アユアスカ
アユアスカは、ペルーのアマゾン地域で使われる伝統的な精神的治療法です。幻覚作用のあるアユアスカ茶を飲み、シャーマンのガイドのもとで精神的な探求を行うことで、自己癒しや自己認識を促すとされています。
陶器
ペルーの陶器は古代から現代まで続く伝統で、モチーフやデザインが地域や時代によって異なります。特にナスカ文化やモチェ文化の陶器は有名です。
ペルーのコミックス
20世紀後半から現代にかけて、ペルーでは独自のコミック文化が発展しました。アルバロ・ポルトガリアやカルロス・ヴィラヴィセンシオなどの作家がその代表です。
カボギャード
カボギャードは、ペルー北部のアフリカ系コミュニティにルーツを持つ音楽とダンスです。カホンという木箱を使ったリズムが特徴的で、アフリカのリズムとスペインのギターが融合した音楽スタイルです。
チャンチャ
チャンチャは、ペルー南部のアンデス地域で人気のダンスです。楽器としてチャランゴ(ギターのような弦楽器)やケーナ(笛)が使われ、ペアで踊ることが一般的です。
リトマチ
リトマチは、ペルーのアンデス地域で古くから続く石の彫刻技術です。これらの彫刻は、家や教会、公共施設などで装飾として使用されています。
2.ペルー特有の習慣について
ペルーのお土産
トルヒージョは、ペルーのお土産として有名な小さな黄金のアミュレットです。金運をもたらすとされており、家や店でよく見かけます。
ペルーの結婚式
結婚式では、新郎新婦が指輪の代わりに、特製の結婚ショールを肩にかけます。また、結婚式の最後には、新婦が小さな袋に入ったお菓子をゲストに投げる習慣があります。
ペルーの誕生日
ペルーでは誕生日に、ケーキを食べる際に、誕生日の人がケーキに顔を押し付けられることがよくあります。これは親しい友人や家族が行う陽気な祝いの一環です。
カルナバル
カルナバルは、ペルー各地で開催されるお祭りで、水や水風船を投げ合う慣習があります。これは、豊作と繁栄を祈るための祝祭です。
レタン・デ・トロ
これは、ペルーのアンデス地域で行われる伝統的なイベントで、トロ(雄牛)の角に色鮮やかなリボンを結びつけ、村人たちがトロを追いかける様子を楽しむ祭りです。
クリスマスの習慣
クリスマスでは、家族が集まってミサ・デ・ガリオ(雄鶏のミサ)と呼ばれる深夜のミサに参加し、その後に家族で伝統的なクリスマス料理を楽しむことが一般的です。
クリオーリャ・ミュージック
クリオーリャ・ミュージックは、ペルーの音楽スタイルで、アフリカ、スペイン、先住民の影響が見られます。
クリオーリャ・ミュージックは、ペルーの民族アイデンティティを象徴する音楽として親しまれています。
3.ペルーの人気料理や有名な食べ物
アンティクーチョ
アンデス地方で人気の屋台料理で、牛心臓を串に刺してマリネし、グリルで焼いたものです。通常、じゃがいもやとうもろこしと一緒に供されます。
カウサ
じゃがいもをマッシュして、アボカドや鶏肉、タマリンドソースを詰めた料理です。ユニークな見た目も魅力的で、前菜として人気があります。
パパ・ア・ラ・ワンカイナ
ボイルしたじゃがいもに、チーズや黄色い唐辛子、牛乳を使ったクリームソースをかけた料理です。前菜やサイドディッシュとして楽しまれます。
オコピ
これは、ペルー南部で人気のシーフード料理で、エビや魚、青リンゴ、トウモロコシ、ユッカなどが入った具だくさんのスープです。
パチャマンカ
アンデス地域の伝統的な料理で、地中で調理されます。豚肉、羊肉、鶏肉、じゃがいも、とうもろこし、ユッカなどが、熱した石の上に並べられ、草や土で覆われて調理されます。これは、特別な祝い事や祭りで行われることが多いです。
アロス・コン・ポロ
鶏肉とライスを炒めた料理で、赤ピーマンやエンドウ豆、トウモロコシなどの野菜が加わります。家庭料理としても定番で、食堂やレストランでも提供されています。
クヤ
アンデス地方では、モルモット(クヤ)が伝統的な食材として利用されています。焼いたり、揚げたりして調理され、特別なイベントや祝い事で供されます。
ピカロン
デザートには、ピカロンがおすすめです。これは、かぼちゃやさつまいもを使った揚げドーナツで、黒糖シロップをかけて食べます。伝統的な甘味で、屋台やカフェで楽しむことができます。
ススピロ・ア・ラ・リメーニャ
ペルーの伝統的なデザートで、カスタードのようなマニヤーレというベースにメレンゲをトッピングしたものです。リマの代表的なスイーツとして知られています。
チチャ・モラーダ
ペルーの代表的な飲み物で、紫とうもろこしを使って作られる甘いジュースです。料理に合わせて飲まれることが多く、屋台やレストランで提供されています。
インカ・コーラ
ペルーで非常に人気のある炭酸飲料で、黄色くて甘い味が特徴です。ペルー料理と一緒に楽しむことができます。
4.ペルーのタブーやマナー
挨拶
ペルーでは、挨拶が大切なコミュニケーションの一部です。初対面の場合や友人・家族と会う際には、必ず挨拶を交わしましょう。通常、女性同士や異性同士の場合は、頬にキスをするのが一般的です。
服装
ペルーでは、特に都市部では、きちんとした服装が好まれます。また、宗教施設や公共の場では、露出の少ない服装を選ぶことが重要です。
ギフト
訪問やパーティーの際には、ギフトを持っていくのが一般的です。チョコレートやワイン、お菓子などが喜ばれます。ただし、黒や紫の包装紙は避けましょう。これらの色は、葬儀に関連付けられているためです。
食事のマナー
食事中に帽子をかぶったり、足を組んだりするのは失礼とされています。また、手で食べ物をつかむことは避けましょう。一部の料理を除いて、通常はフォークとナイフを使って食べます。
飲み物の提供
ペルーでは、飲み物を提供する際には、グラスやカップを両手で持って渡すことがマナーとされています。
写真撮影
ペルーでは、人々や文化的な場所を撮影する前に、必ず許可を得ることが重要です。特に、先住民の方々や子どもたちを撮影する際には注意が必要です。
クスコの聖なる谷
クスコの聖なる谷は、ペルーの先住民にとって神聖な場所です。遺跡や自然を敬い、環境を守るよう心掛けましょう。
5.ペルー人の性格について
友好的
ペルー人は、親しみやすく友好的な性格が多いです。彼らは他人との交流を楽しみ、新しい人々と出会うことにオープンです。彼らはゲストを歓迎し、温かく迎え入れることで知られています。
家族思い
家族はペルー文化の中心であり、多くのペルー人は家族を非常に大切にしています。彼らは家族の絆を重んじ、親戚とのつながりを大事にします。
社交的
ペルー人は、パーティーや祭りを通じて社交を楽しむことが好きです。音楽やダンス、食べ物を共有することで、コミュニティや友人との絆を深めます。
謙虚
ペルー人は、一般的に謙虚で控えめな性格です。他人と協力し、困難に対処することに強い意志を持っています。
芸術的な感覚
ペルーは、古代文明から現代まで様々な芸術と文化が栄えてきました。ペルー人は、音楽、ダンス、伝統的な工芸品など、芸術的な表現に情熱を持って取り組んでいます。
宗教的
ペルー人の多くは宗教的であり、カトリック教徒が大半を占めています。宗教は日常生活の中で重要な役割を果たしており、祭りや行事にも宗教的な要素が見られます。
時間にルーズ
ペルーでは、「ペルー時間」という言葉があるように、時間に対する考え方がルーズです。遅刻はある程度許容されることが多く、約束やイベントが予定より遅れることも珍しくありません。