ロシア人のよくある人気の名前！男性や女性もまとめて紹介

ロシア人の名前は美しさと意味の宝庫です。この記事では、ロシアの名前の背景と人気の名前を詳しく解説します。名前の由来や文化的な意味に興味がある方にぴったりの内容です。

1.ロシア人の名前の特徴とは？

1. フルネームの構成：
   • 名（イーメニ）：個人の名前、例えば「アレクサンドル」や「マリア」。
   • 父称（オーチェストヴォ）：父親の名前から派生したミドルネームで、性別によって形が異なります。男性の場合は「-ヴィチ」（例：イワーノヴィチ）、女性の場合は「-ヴナ」（例：イワーノヴナ）が付きます。
   • 姓（ファミリーヤ）：家系を表す名前で、男性形と女性形があります。男性形が基本形で、女性形は通常「-ア」または「-ナ」が末尾に付加されます（例：ペトロフとペトロヴァ）。
     
2. 愛称と短縮形：
   • ロシア人の名前には、愛称（愛着を込めて使われる短縮形）が多く、親しい人々の間でよく使われます。例えば、「アレクサンドル」は「サーシャ」、「エカテリーナ」は「カーチャ」と短縮されます。
     
3. 由来と意味：
   • 多くのロシア人の名前には、キリスト教、特に東方正教会の聖人の名前が由来となっており、誕生日や名前の日にちなんで名付けられることが一般的です。
     
4. 公式場面と非公式場面での使用：
   • フルネームは公式の場や正式な文書で使用されますが、日常生活では名（イーメニ）や愛称が一般的に使われます。

2.ロシア人のよくある苗字について

1. スミルノフ (Смирнов) - 「静かな」や「穏やかな」という意味があります。
   
2. イワノフ (Иванов) - 「イワンの息子」という意味で、イワンは「John」に相当する非常に一般的な名前です。
   
3. コズロフ (Козлов) - 「山羊の」を意味し、牧羊家の子孫を示唆しています。
   
4. ポポフ (Попов) - 「司祭の」を意味し、教会との関連を示します。
   
5. ペトロフ (Петров) - 「ペトルの息子」という意味で、ペトルは「ピーター」に相当します。
   
6. ソコロフ (Соколов) - 「鷹の」という意味があり、強さや狩猟能力を象徴しているかもしれません。
   
7. ミハイロフ (Михайлов) - 「ミハイルの息子」という意味で、ミハイルは「マイケル」に相当します。
   
8. ノヴィコフ (Новиков) - 「新しい」という意味で、新しい土地に移住した家族や、新たな始まりを意味することがあります。
   
9. モロゾフ (Морозов) - 「霜の」という意味があり、寒冷な気候や冷たい性格を示唆することがあります。
   
10. レベデフ (Лебедев) - 「白鳥の」という意味があり、美しさや高貴を象徴しています。

3.ロシア人のよくある人気の名前【男性編】

1. アレクサンドル (Александр) - あれくさんどる：「守る者」
2. ドミトリー (Дмитрий) - どみとりー：「デメテル（地母神）の信者」
3. マクシム (Максим) - まくしむ：「最大の」
4. セルゲイ (Сергей) - せるげい：「高い、崇高な」
5. アンドレイ (Андрей) - あんどれい：「男らしい、勇敢な」
6. アレクセイ (Алексей) - あれくせい：「守る者」
7. アルテム (Артем) - あるてむ：「アルテミス（狩猟の女神）に捧げられた」
8. イワン (Иван) - いわん：「神は恵み深い」
9. キリル (Кирилл) - きりる：「主の支配者」
10. ニコライ (Николай) - にこらい：「民の勝利」
11. オレグ (Олег) - おれぐ：「神聖」
12. パーヴェル (Павел) - ぱーべる：「小さい」
13. ロマン (Роман) - ろまん：「ローマの人」
14. ビクトル (Виктор) - びくとる：「勝者」
15. ヴラジーミル (Владимир) - ぶらじーみる：「支配する者」
16. ヤロスラフ (Ярослав) - やろすらふ：「春の栄光」
17. エフゲニー (Евгений) - えふげにー：「貴族の出」
18. ダニール (Даниил) - だにーる：「神は私の裁判官」
19. ゲオルギー (Георгий) - げおるぎー：「農夫」
20. イリヤ (Илья) - いりや：「主は私の神」
21. レオニード (Леонид) - れおにーど：「ライオンのような」
22. アナトリー (Анатолий) - あなとりー：「東方の」
23. ボリス (Борис) - ぼりす：「戦闘で著しい」
24. ヴァディム (Вадим) - ばでぃむ：由来不明、古い名前
25. ユーリ (Юрий) - ゆーり：「農夫、土地を耕す者」
26. グレブ (Глеб) - ぐれぶ：古いスカンディナヴィアの名前
27. スタニスラフ (Станислав) - すたにすらふ：「国家の名誉」
28. ティムール (Тимур) - てぃむーる：「鉄」
29. ミハイル (Михаил) - みはいる：「神のような」
30. エドゥアルド (Эдуард) - えどぅあるど：「富、守護者」
31. コンスタンティン (Константин) - こんすたんてぃん：「堅実な、一貫性のある」
32. イーゴリ (Игорь) - いーごり：「保護する戦士」
33. ヴァレンティン (Валентин) - ばれんてぃん：「健康な、強い」
34. デニス (Денис) - でにす：「ディオニュソス（酒と喜びの神）に捧げられた」
35. マルアット (Марат) - まるあっと：「死のための」
36. ヴァシリй (Василий) - ばしりー：「王の」
37. ラドミール (Радомир) - らどみーる：「喜びと平和」
38. オレクサンドル (Олександр) - おれくさんどる：「守る者」（ウクライナ語形）
39. ルスラン (Руслан) - るすらん：「ライオンのような」
40. マトヴェイ (Матвей) - まとべい：「神の贈り物」
41. アルトゥール (Артур) - あるとぅーる：由来不明、古い名前
42. サーシャ (Саша) - さーしゃ：「アレクサンドルの愛称」
43. アントン (Антон) - あんとん：「前もって賞賛される」
44. パーヴェル (Павел) - ぱーべる：「小さい」
45. ソフロン (Софрон) - そふろん：「賢い、慎重な」
46. タラス (Тарас) - たらす：「古代ギリシャ名、由来不明」
47. ヴァシリス (Василис) - ばしりす：「王の」（短縮形）
48. ラディスラフ (Радислав) - らでぃすらふ：「喜びを持つ者」
49. フョードル (Фёдор) - ふょーどる：「神の贈り物」
50. アルセニー (Арсений) - あるせにー：「男らしい、勇敢な」

4.ロシア人のよくある人気の名前【女性編】

1. アンナ (Анна) - あんな：「恵み」
2. マリア (Мария) - まりあ：「愛される者」
3. ナターシャ (Наташа) - なたーしゃ：「ナターリヤの愛称、誕生日の意味」
4. エレーナ (Елена) - えれーな：「光」
5. オリガ (Ольга) - おりが：「神聖」（スカンディナヴィアの由来）
6. タチアナ (Татьяна) - たちあな：「設立者」
7. スヴェトラーナ (Светлана) - すべとらーな：「光」
8. イリーナ (Ирина) - いりーな：「平和」
9. エカテリーナ (Екатерина) - えかてりーな：「純粋」
10. ダリヤ (Дарья) - だりや：「持っている者、保持者」
11. ソフィア (София) - そふぃあ：「知恵」
12. ヴェラ (Вера) - べら：「信仰」
13. リュボーフ (Любовь) - りゅぼーふ：「愛」
14. アリーナ (Алина) - ありーな：由来不明、美しさを想起させる
15. ユリア (Юлия) - ゆりあ：「若者、ジュピターの子孫」
16. アナスタシア (Анастасия) - あなすたしあ：「復活」
17. ナデジダ (Надежда) - なでじだ：「希望」
18. ガリーナ (Галина) - がりーな：「静かな、穏やかな」
19. ヴァレンティナ (Валентина) - ばれんてぃな：「健康な、強い」
20. ポリーナ (Полина) - ぽりーな：「小さい」
21. ビクトリア (Виктория) - びくとりあ：「勝利者」
22. クセーニヤ (Ксения) - くせーにや：「外国人」
23. エレナ (Элеонора) - えれな：「光」
24. マルガリータ (Маргарита) - まるがりーた：「真珠」
25. リーダ (Лида) - りーだ：「人々」
26. アリサ (Алиса) - ありさ：由来不明、一般的に使われる名前
27. イナ (Ина) - いな：「純粋な」
28. カテリーナ (Катерина) - かてりーな：「純粋」
29. ラリサ (Лариса) - らりさ：「要塞」
30. ナタリア (Наталия) - なたりあ：「クリスマスの日」
31. アリーナ (Арина) - ありーな：「平和」
32. ゾヤ (Зоя) - ぞや：「生命」
33. タマラ (Тамара) - たまら：「ヤシの木」
34. アグニヤ (Агния) - あぐにや：「火」
35. エレナ (Элена) - えれな：「光」
36. アデリーナ (Аделина) - あでりーな：「高貴な」
37. ズラータ (Злата) - ずらーた：「金」
38. リディア (Лидия) - りでぃあ：「リディアの女性」（古代地名）
39. ミラ (Мила) - みら：「愛らしい」
40. ネリ (Нелли) - ねり：由来不明、西洋の影響を受けた名前
41. エミリア (Эмилия) - えみりあ：「競争する」
42. サビーナ (Сабина) - さびーな：「サビーヌ人」
43. ヴィクトリア (Виктория) - びくとりあ：「勝利者」
44. オクサナ (Оксана) - おくさな：「歓迎される者」
45. エレーナ (Елена) - えれーな：「光」
46. クリスティーナ (Кристина) - くりすてぃーな：「キリスト教徒」
47. ソニア (Соня) - そにあ：「知恵」
48. リナ (Лина) - りな：「柔らかい、優しい」
49. マリーナ (Марина) - まりーな：「海の女」
50. ヤナ (Яна) - やな：「神は恵み深い」

5.ロシア人の名前に関する面白い豆知識

愛称の多様性

ロシアでは、ほとんどの名前に一つ以上の愛称が存在します。例えば、アレクサンドルは「サーシャ」、エカテリーナは「カーチャ」と呼ばれます。これらの愛称は、親しみを込めて日常生活でよく使われるため、正式な名前とは異なる印象を与えることがあります。

父称（パトロニミック）

ロシアの名前には「父称」と呼ばれる中間名が含まれることが一般的で、これは個人の名前に父親の名前を形容する接尾辞をつけて作られます。男性の場合は「-ヴィチ」、女性の場合は「-ヴナ」という接尾辞が使われ、「アレクサンドロヴィチ」や「イワノヴナ」のようになります。これにより、名前は非常に個人的かつ家族的な意味を持ちます。

名前の日（イミェニны）

ロシアでは、カトリックの「名前の日」に相当する「イミェニны」を祝います。これは聖人の日で、その聖人と同じ名前を持つ人が自分の名前を祝う日です。これは誕生日とは別の重要な日であり、家族や友人が集まってお祝いすることが一般的です。

性別による名前の変化

ロシア語の名前は男女で形が異なることがあります。特に姓において、男性形の姓に「-ア」や「-ナ」をつけて女性形にすることが多いです。例えば、「ペトロフ」は男性の姓で、「ペトロヴァ」が女性の姓になります。

ユニークな愛称の使用

一つの名前から複数の愛称が派生することがあり、その形はしばしば創造的です。例えば、「アレクサンドル」から「サーシャ」、「シューラ」、「サーニャ」といった異なる愛称が生まれます。これはロシア語の柔軟性と創造性を示しています。

歴史的変遷

ロシアの歴史を通じて、名前には多くの変遷が見られます。ソビエト時代には、政治的な動機から新しい名前が作られることもありました。例えば、「メルクリアン」（Mercurian）など、惑星や科学的な概念にちなんで名付けられた名前が出現しました。

国際的な名前のロシア語化

外国の名前がロシア語に取り入れられる際、ロシアの発音や綴りに合わせて変更されることがあります。例えば、「ウィリアム」は「Вильям」（ヴィリャム）となり、「エリザベス」は「Елизавета」（エリザヴェータ）となります。

聖名日

ロシア正教会では、名前の日（Именины）を特に重視しますが、この日は一人の聖人に捧げられ、その聖人の名を持つ人々が祝われます。これはローマ・カトリック教会の名前の日とは異なり、特定の聖人の記念日に焦点を当てています。

名前の変更の禁止

歴史的に、一部の時期には名前を変更することが法律で制限されていた時代もあります。これは、名前が個人のアイデンティティと深く結びついているため、政治的または社会的理由からその変更が制限されることがありました。

名前の地域差

ロシアは非常に広大な国であり、地域によって一般的な名前に違いが見られます。たとえば、タタールスタンのような地域では、タタール語の名前が一般的で、ロシア語名とは異なる場合があります。